遺品整理の途中で、まだ使えるものだと出来たら誰かに使ってもらいたいという気持ちに直面することがあります。でも、気軽に身近な人に声かけをするにも気を使ってしまい堂々巡り。

「使えるのにもったいないけれど、遺品整理だから思い切って廃棄するしかないの?」
と割り切れない思いで困ってしまうでしょう。
少し、考え方を変えて寄付を検討してみてはいかがでしょうか?
遺品で寄付をしやすいもの
まず、始めに寄付を受け付けてもらえそうな遺品とは、どのようなものでしょうか?遺品整理の段階で処分してしまうにはもったいないものの、個人的に引き取ってもらうのにも相談しにくいといった理由があるなら、寄付を視野に入れてみるのもおすすめです。
1.書籍・百科事典・専門書・趣味の本

スペースを占めるだけではなく重さもあるのが、いろんな書籍。百科事典や専門書・趣味の本などを故人が愛読していたなら、そのままリサイクルゴミとして処分するのも忍びないものですね。普段利用している図書館へ、寄付を受け付けているかを相談してみるのもおすすめです。ただし、書籍の量や種類によっては図書館も受け入れができない可能性もあり得ます。
実際に、図書館でも年に数回リサイクル書籍として、情報の古い本や複数冊ある本を利用者に無料配布することもあるので、蔵書数にはある程度の制限もありそうです。そのためにも、事前に問い合わせしておくのがマナーだと言えますね。
2.食器・調理器具

遺品の中でも結構な量があるのが、食器や調理器具。使用していたものだけではなく、お付き合いの程度が多ければ引き出物も何かとあるのではないでしょうか?そのような場合には、自治体の公民館に問い合わせをしてみるのも一つの方法としておすすめです。
特に、不特定多数の方が利用する頻度が多い公民館では、食器が割れたり欠けたりすることもあるので、種類によっては受け付けてもらえる可能性も充分あります。
3.引き出物・ハンドメイドなど

使用しないままで仕舞っていた引き出物が、遺品整理の際にたくさんあり困ってしまうこともありがちです。それほど、故人のお付き合いのほどを物語るものですが、処分してしまうのも資源を無駄にしてしまうことになってしまいます。
フリーマーケットに寄付すると、とても喜ばれるのが引き出物。開催されるのを探すには、以下の方法があります。
- ネット
- チラシ広告・フリーペーパー
- 新聞掲載
- 自治体
また、ハンドメイドの作品は故人の細やかな思いが込められて形になっており、処分するのは忍びない気持ちになってしまうものです。フリーマーケットの開催情報を得ておけば、ハンドメイドの作品も寄付してみると手作りならではの味わいがあり喜ばれるでしょう。ハンドメイドだからこそ、誰かに再び使ったり飾ったりしてもらえることで、故人もきっと喜んでくれているのではないでしょうか?
4.タオル類
いつの間にか増えてしまう物と言えば、タオル。特に、フェイスタオルは引き出物だったりストックしておくために買ったり、結構な枚数になってしまうものです。何かどなたかのお役に立てると嬉しいものですが、なかなか最寄りでは声かけにくいでしょう。
そんな時に検討してもらいたいのが、老人施設です。たくさんのタオル類を常時必要とする場所ですので、受け入れてくれる可能性もあります。もしも、故人が利用していた施設であれば問い合わせも気軽に出来るのではないでしょうか?
遺品を寄付する際に注意したいこと
さて、寄付をしたいと思った遺品が分別出来たら、寄付を行う前に注意点を知っておく必要があります。手順に従って行くことでお互いが気持ちよくやり取りができるようになるので、充分な確認を行うようにしてください。
1.寄付する団体や施設に相談

寄付する際には、団体や施設にあらかじめ問い合わせするのがマナー。遺族の思い込みで必要だろうと思っても、先方にとっては不要だったり何らかの理由で受け付けられなかったりするケースもあるからです。迷惑にならないための配慮を心得たうえで、問い合わせをしてみましょう。
2. 寄付したい遺品の分別と確認
もしも、寄付を受け付けてくれる場合でも、遺品をカテゴリーで分別しておく配慮を行うのが賢明です。それぞれの寄付で先方に手間をかけさせることなく、一目で分かるようにしておくため。そのためにも、段ボールや袋に内容物を記載しておくのが望ましいですね。
- 書籍なら文庫本・単行本・百科事典などで
- 食器類なら大きさ・形状で
- タオル類ならサイズ分けで
3. 団体の方が遺品を寄付しやすい
使用することが出来る遺品をもらってもらいたいと思っても、親しい間柄であってもなかなか尋ねにくい面もあります。
- 親しい間柄だけに先方に気を使わせてしまうこともある
- 遺品という性質上、誰もが気軽に受け取ってはもらえない
個人的に貰い手を探すよりも気をあまり使わなくて済むのが、団体への寄付です。ご紹介した4つの品物であれば、それぞれの団体や施設で誰かの元で喜んでもらえるようになります。直接、遺族から故人へ渡すよりも、ワンクッションとなる団体や施設があることでその後の使用にも気を遣わせることも無くなるでしょう。
4.寄付すれば遺族も廃棄よりも安心感がある
そのまままだ使える状態のものや新品のものを、遺品整理で困ってしまったから廃棄。これをすんなりとこなせる方は、まず少ないでしょう。ご紹介したように寄付を受け付けてもらえたとすれば、廃棄するよりも遺族にとっての安心感につながります。先方も、遺品という事情を伝えているわけですので、必要なものと判断してもらえるものならば善意を汲み取ってくれるでしょう。
何より、遺品が再びどなたかの元で役に立てる、喜ばれるというのは、故人も喜ばしく思うことになるでしょう。もしも、縁のある団体や施設への寄付なら、故人を偲ぶ話題が出てくることも考えられますので、遺族にとって何よりも有難いものですね。
まとめ
遺品整理で困った時に、ご紹介した品物であれば寄付という選択肢もあり得ます。寄付を行う前の注意点を意識した上で進めてみましょう。遺品の仕分け段階で、寄付に該当しそうなものを分別しておくと、「処分するもの」「遺品として残すもの」とあらかじめ分ける際に区別できるようになり作業の効率も良くなりますよ。